1.はじめに

 PIXE分析とは、Particle Induced X−ray Emission(粒子線励起X線)のことであるが、陽子、α粒子などの重荷電粒子を静電加速器又は、サイクロトロンなどの加速器で数MeVのエネルギーに加速して試料に照射し、その結果発生する元素固有のエネルギーを持つ特性X線を測定して、元素分析する方法 1)を今では一般にPIXEと言っている。このPIXEによる元素分析法は次の点で優れている。

高感度:ppmより高い感度で分析できる。
試料は少量でよい数μgの試料でも分析できる。
多元素を同時に分析できる:ナトリウムからウランまでの元素を同時に定量分析できる。
簡単測定は試料を薄膜にのせて、陽子線を当てて、X線を測定するだけである。
感度は少し落ちるが、大気中での分析も可能で、この場合試料をそのまま分析できるので液体試料などなんでも分析できる。
ビームのサイズを1ミクロン以下にすることによって、たとえば、細胞中の微量元素の分布を調べることができる。

 PIXE法は、このように優れているので、医学、歯学、生物学、環境汚染、大気汚染、考古学、文化財調査、資源探査、犯罪捜査、半導体や金属学、宇宙塵の研究等に幅広く応用されている 1)。
ここでは、陽子ビームを用いたPIXE分析法の基礎について簡単に説明する。

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